かゆいところに手が届く!日常で使える日本語スラングの英語表現

日本語には、独特なニュアンスを持つスラングや、流行りの表現がたくさんあります。特に近年は、ネット文化の影響もあって、新しい表現が次々と生まれています。

この「かゆいところに手が届く」シリーズでは、ネイティブの旬の英語の口語表現を紹介していますが、この記事では、日常会話でよく使われる日本語のスラングを、英語でどう表現するかをご紹介していきます。いつも気軽に使っている言い方、英語でなんて言えばいいの?という疑問はありませんか?

今回は、日常会話で頻繁に使われる5つの表現を、英語でどう言うのかをご紹介します。例文も豊富に用意していますので、ぜひ参考にしてみてください。

まず始めに 日本語を英語に訳す時には

多くの方がすでにお気づきのように、英語から日本語、または日本語から英語で、直訳が存在しないもの、または無理に直訳すると意味をなさないもの、不自然なものはたくさんあります。

机がdesk、テーブルがtableなど、物の名前であれば明らかなものがある反面、例えばちょっと昔の曲を聞いた時に、日本語で気軽に言う「なつかしい!」などの感情を表す一言表現は、辞書で引くとnostalgicと書かれています。でも実際に、ちょっと昔の曲がラジオから流れてきて、Nostalgic!などと言うネイティブの一言、聞いたことありませんよね?もちろん、英語として決して間違ってはいませんし、意味もまあ「なつかしい」が一番近いとは思います。でも、ちょっと大げさというか、芝居がかっていると言うか、不自然な感じはします。それと、日本語で一言で言う「なつかしい!」のニュアンスは出せていません。

こういうときには、単語一つのNostalgic!ではなくて、”Good old days!” や “Those were the days!”と言う方が、ずっと自然で、日本語の一言「なつかしい!」に近いのです。

このように、日本語には、英語にはない独特なニュアンスを持つ、短くて簡単に言える便利な表現がたくさんあります。これらの表現を英語でうまく表現するには、シチュエーションによって、いくつか言い換えのパターンを覚えておくことが重要です。Aという一つの日本語表現に対して、BやCやDを、場合によっては使うことができるということです。直訳はありませんので、パターンの中から一番合うものを選んで、場面に合う自然な英語を話してみましょう。では、さっそく聞き慣れた日本語スラング、解説していきます。

マウントを取る

意味: 相手より優位な立場に立って、自慢したり、威圧したりすること

使える英語表現とニュアンス:

  • one-up someone: 常に相手より上回ろうとする
  • humblebrag: 自慢を謙虚なふりをして行う
  • show off: 自慢げに何かを見せびらかす
  • lord it over someone: 相手に対して優位な立場であることを誇示する
  • rub it in: 自慢げに言う

例文:

one-up someone: 常に相手より上回ろうとする

A: I got promoted!
B: Wow! I need to work harder too… (feeling one-upped)

A: 昇進したんだ!
B: すごい!私も頑張らないと…(内心:マウントを取られたな〜)

これは、上の例文自体に「マウントを取る」は入っていなくて、Bさんの気持ちを括弧内に入れました。あまり直接本人に、「あなたマウント取りましたね!」なんて言わないと思うので、こうしましたが、もしこれを他の人に話す時には、

  • She one-upped me by getting promoted. (彼女は昇進したって、鼻であしらったきたよ)
  • He has a very one-up attitude. (彼は、常に相手より上回ろうとする態度を取るよ)

という使い方で「マウントを取る」と表現できます。”one-up” は、日本語で「出し抜く、先を越す」という意味のスラングです。フォーマルな場面では使わないでくださいね 😆 。

humblebrag: 自慢を謙虚なふりをして行う

A: I’ve been so busy lately.
B: Humblebrag?

A: 最近ちょっと忙しくて大変なんだよね〜。
B: なに、さり気なくマウント?

bragを知っている方は多いのでは?brag about 〜で、〜を自慢する、〜を得意げに話す、になりますが、これに謙虚のhumbleを付けて、humblebragです。
これで、より日本語のマウントに近いニュアンスが出せます。

  • That was a total humblebrag. (あれは大変そうなふりして、完璧マウントだよね〜)

人に言う時はこんな感じ。

show off: 自慢げに何かを見せびらかす

A: I bought a new car!
B: You didn’t have to show it off.

A: 新しい車買ったんだ!
B: わざわざ見せなくていいよ。わざわざ言わなくていいよ。

これも人に話す時に、He showed it off! と言って、あいつマウントを取ってきたぜ、と話す感じです。
わかりやすいように、上に訳を2つ書きましたが、show off(自慢する)というイディオムは、実際にその買った車を見せびらかすことにも、話の上で、言葉上で自慢することにも、両方使えて便利です。
この言い方は便利で、親しい間柄で、ちょっと自慢された時に、軽く”Show off!”(自慢ね〜!)と使うこともできます。

lord it over someone: 相手に対して優位な立場であることを誇示する

A: I got the highest score in the class!
B: Don’t lord it over me!

A: クラスで成績トップを取ったんだ!
B: マウント取らないでよ!

lord it overは「自慢する、威張る、鼻にかける」という意味で使われ、lord it over someone のように、人に対して使う表現です。自分の優位性を誇示して、相手を見下すような態度を取るニュアンスがありますので、友達同士の会話では大丈夫ですが、フォーマルな場面で目の前にいる相手には使わないでください。

他の例文:

He always lords his wealth over his friends. (彼はいつもお金持ちであることを友達に自慢する)

Don’t lord it over me just because you’re older. (年上だからといって威張らないで)

rub it in: 自慢気に言う、嫌味っぽく言う

A: Hey, guess what? I got a boyfriend!
B: Don’t rub it in! (lol)

A: ねえねえ、彼氏できたんだ!
B: マウント取らないでよ~(笑)

rub it inは「自慢する、鼻にかける、わざわざ嫌味っぽく言う」という意味で使われ、相手が不快に感じるようなことを、あえて強調して言うニュアンスがあります。

余裕がない

意味: 気持ちに余裕がない、時間に余裕がない、お金に余裕がない、体力に余裕がない

余裕がないって言い方、本当に良く使いますよね!

1. 精神的に余裕がない

be stressed out: ストレスでいっぱいいっぱい

A: I’ve been so busy with work lately that I’m feeling really stressed out.
B: I know, me too.

A: 最近仕事が忙しくて、余裕がないんだよね。
B: わかるよ、私もだよ。

be overwhelmed: 圧倒されて押しつぶされそう

I’m overwhelmed by everything that’s going on and I’m starting to feel overwhelmed. (色々重なって、心が押しつぶされそうで余裕がない)

↓特別な「余裕がない」に当たるイディオムは入っていませんが、下のような言い方も余裕のなさがとても良く伝わり便利です。

I’m going through a lot right now and I’m not feeling like myself. (今、本当に色々あって、自分らしくいられない、余裕がない)

 

2. 時間的に余裕がない

I’m so swamped with work that I don’t have time to breathe. (仕事に追われて息つく暇も余裕もない)

I’m running behind schedule and I’m starting to feel the pressure. (予定より遅れていて、焦り始めてきた)

I have a back-to-back meeting all day and I’m barely keeping up. (一日中会議が連続していて、ついていくのがやっとで余裕がない)

 

3. 金銭的な余裕がない

I’m on a tight budget and I can’t afford any extras. (予算が厳しくて、ぜいたくできない、余裕が一切ない)

Money is really tight right now and I’m struggling to make ends meet. (今は金欠で、生活費を工面するのが大変)

I’m in debt and I’m worried about how I’m going to pay it off. (借金があって、どうやって返済しようか心配)

 

4. 体力的に余裕がない

I’m exhausted and I don’t have any energy left. (疲れ果てて、もう何もする気力がない)

I’m feeling really run down and I need a break. (体調が悪くて、休みが必要)

I’m not sleeping well and I’m starting to feel the effects. (睡眠不足で、体調に影響が出始めている)

ドン引きする

意味: 驚くべきものを見て、あきれること

使える英語表現とニュアンス:

  • be shocked: 驚く
  • be horrified: 恐怖や嫌悪感でぞっとする
  • be disgusted: 嫌悪感を感じる
  • be speechless: 驚きすぎて、何も言えなくなる

例文:

be shocked: ショックを受ける

A: No way! I can’t believe it!
B: I was so shocked too.

A: えー、マジ!?信じられない
B: 私もドン引きしたよ。

be horrified: 恐怖や嫌悪感でぞっとする

That incident was really horrifying. I was disgusted. (あの事件、本当に恐ろしいよね。ドン引きした。)

be disgusted: 嫌悪感を感じる

I was disgusted by what he said.(彼の発言、ドン引きしたわ。)

be speechless: 驚きすぎて、何も言えなくなる

He was so arrogant that I was speechless.(彼のあまりの傲慢さにドン引き。)

告る(告白する)

意味: 恋愛感情を相手に伝えること

英語表現:

  • confess one’s love: 自分の気持ちを正直に伝える
  • make a confession of love: 愛の告白をする
  • tell someone how you feel: 自分の気持ちを伝える
  • pop the question: プロポーズする

例文:

A: I worked up the courage to confess my love to her.
B: Wow! What happened?

A: 思い切って、彼女に告ってみたんだ。
B: すごい!結果は?

A: I’m thinking about confessing my feelings to him soon.
B: I’m rooting for you! Go for it!

A: そろそろ彼に自分の気持ち、告白しようかなと思ってる。
B: 応援してるよ!頑張って!

以下は、pop the question to someone のように、結婚を申し込むことを、「質問を投げかける」という比喩で表現しています。

He is planning to pop the question to her on their anniversary. (彼は記念日に彼女にプロポーズする予定だ)

I’m so nervous about popping the question! (プロポーズするのがすごく緊張する!)

pop the questionは、フォーマルな場面でもカジュアルな場面でも使える表現です。

 

まあいろいろあってね

意味: 色々あったけど、詳しくは説明したくない

使える英語表現とニュアンス:

  • long story short: 話を短くまとめる
  • it’s a long story: 話が長くなるので、簡単に説明できない
  • suffice it to say: 詳しい説明は省略する
  • a lot has happened: 色々あった

例文:

A: Hey, anything new with you?
B: Oh, you know, a lot has happened. I’d rather not go into details, but it’s been a wild ride.
A: I see. Well, I’m here if you need to talk.

A: ねえねえ、最近何かあった?
B: 色々あったんだけど、話すと長くなるから、詳しくは言えないんだけど、とにかく大変だった。
A: そうなんだ。大変だったね。何かあったら話してね。

AはBが話したくないことを理解し、I’m here if you need to talk.
と声をかけ、励ましています。スマートな受け答えですね。

 

A: So, what’s been up?
B: It’s a long story, but let’s just say it’s been a crazy few weeks.
A: Oh, I can imagine.

A: それで、何があったの?
B: 話すと長くなるけど、とにかく色々あって、目まぐるしい日々だった。
A: それは大変だったね。

A: How have you been?
B: Suffice it to say, it’s been a challenging time.
A: I’m sorry to hear that. I hope things get better soon.

A: 最近どうしてた?
B: 色々あって、一言で言えば大変だった。
A: そうなんだ。大変だったね。早く良い方向に向かうといいね。

A: 最近何かあった?
B: まあいろいろあってね。

まとめ

今回の記事を参考に、ぜひ色々な日本語スラングを英語で表現してみてください。

また、みなさんが日本語で良く使う表現を、英語でどう言えば良いか?というご質問がありましたら、お気軽に下のフォームよりご質問を送ってください。

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